中途半端な情報公開はいけません

中野区の区報(8月5日号)とホームページに、
「旧上野原スポーツ・学習施設用地を売却」
という記事が掲載されています。
内容は山梨県上野原市(旧上野原町)というところに区域外のスポーツ・学習施設を整備するという名目で平成6年に区が取得した土地を、平成16年に計画を中止し今年の6月30日に1億3千310万円で購入先の上野原市に売却したというもの。
この文章からだけではわかりませんが、この用地買収&計画中止によって私たち中野区民は、
約9億2700万円
の無駄な負担を強いられることになりました。
言葉の使い方はともかく、情報公開するならここまできちんと公表するべきだと思います。
以下はその収支内訳です。
<支出関連>
 用地買収価格 約10億7800万円+用地維持管理および工事費 約1億300万円
<収入関連> 砂利置場としての使用料収入 約2億5500万円
当時の時代背景もあったにせよ、結果的に区民に余計な負担を強いることになってしまったことに対し、私たち議会と行政は猛省し、2度と同じような過ちを繰り返さないようにしなければなりません。用途がなんであれ、今後も土地の購入に関しては慎重に慎重を重ねるべきです。
上野原のケースは違いますが、安易な土地の購入を助長させる(と私は思っています)土地開発公社を廃止する自治体も増えている中、中野区もここらで公社の存在そのものを見直すべきだと区の上層部に提言しましたが、廃止するつもりはないとあっさり言われてしまいました。
*土地開発公社とは
土地の値段が右肩上がりだったバブル期に、欲しい土地を自治体が「買い負け」ないように「借金により先行取得」するためにつくられた制度。年度や予算化に縛られずに土地の購入ができる。実質的には自治体と一体化した組織。中野区の場合、副区長が理事長を務める。


土地開発公社が土地を取得した後に、自治体が予算をたてて買い戻すという仕組みになっているのですが、バブル経済崩壊で土地の価格が全国で軒並み下落し、どこも多額の含み損を抱えることになりました
含み損を抱えた土地を売却すると多額の損失が表面化するため(土地開発公社がらみではありませんが、今回売却した上野原の土地がそうですね)取得した土地が売るに売れず、多くの公社の土地が塩漬け(長期保有した)状態になってしまいました。
しかし土地が塩漬けになっている間に金融機関からの借入による金利負担はどんどん膨らんでしまいます。日本全国でこういった負債が明らかになったため、総務省が平成13年度に「土地開発公社経営健全化団体」という制度を、また平成16年には「土地開発公社経営健全化対策」を定め、財政的な支援をすることで開発公社の資産圧縮を推進し、借入による長期保有用地が多い土地開発公社をもつ自治体に対して、年度を区切って塩漬け土地の圧縮を行うように指示しました。
お察しの通り(?)、23区の中でも長期保有地(額)が非常に多い中野区は、総務省に指示に従い、平成13年度~22年度にかけてその縮減に努めている最中です。ちなみに中野区における平成19年度末の借入残高は、約113億円。利率は2,00%となっています。このご時世、今後の金利上昇も予想されます。
参考・引用文献 「自治体連続破綻の時代」 by 松本武洋