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リサイクルにはお金がかかることを知る

(前々回書いたペットボトル問題の続きです)なぜ、同じプラスチック製品なのに、「一部ペットボトル(の本体)」のみが、わざわざ別ルートで収集されなければならないのか。 関係機関の答えは 


「リサイクルしやすいから。」


 
私も知らなかったのですが、同じ透明なプラスチックでもコンビニエンスストアで売っているお弁当のふたなんかとは違い、ペットボトルは「ポリエチレンテレフタレート」という単体の樹脂のみでつくられている、特殊なプラスチック製品なのです。ちなみにペットボトルの「ペット(PET)」はこの「ポリエチレンテレフタレート」を英語表記した POLY ETHYLENE TEREPHTHALATE の頭文字をとったものだそうです。

 
つまり複合素材でつくられているほかのプラスチック製品とは違い、このポリエチレンテレフタレートという単体素材のみでつくられているペットボトルは、再び同じペットボトルに生まれ変わらせることもできるし、ほかのリサイクル製品をつくるにしても「やりやすい」だからこれだけ別ルートで収集し、プラマークのついたプラスチック製品(資源ごみ)とは別の保管施設→リサイクル工場まで運ばなければならないのだということです。

 
しかしこれまで財源不足にあえぐ一部の地方自治体が、リサイクルをすると称して住民からせっかく集めたペットボトルをものすごく安い値段で中国などに売却してしまうことが続き、国内でリサイクルに回される量が年々減ってペットボトルリサイクル業者さんの存続の危機にまで発展してきたため、最近、法律の改正によってまじめにペットボトルをリサイクルした自治体には「日本容器包装リサイクル協会」からリサイクル量に応じで還付金が支払われることになりました。(結果、徐々にリサイクルに回る量も回復基調にあるそうです)

 
中野区の担当者に確認したところ、中野区が中国に回収したペットボトルを勝手に売却しているということは一切ないし、集められた分は100%リサイクルされているという回答をいただき、ちょっと安心。もちろん容リ協会からの還付金も受け取っているそうです。 

しかし以前にも書きましたが、このペットボトルのリサイクルには実はかなりの経費がかかっています。
1トンあたりのコストは可燃ゴミ約50000、不燃ゴミは約49000、粗大ゴミは約90000
さて、対するペットボトルのリサイクルコストは一体いくらだと思いますか??正解は1トンあたり何と

約161,000

です。ちなみに今年の10月から全区的に回収が始まるプラマークのついた資源ゴミリサイクルにかかるコストは1トンあたり
約181,000円

つまり、

リサイクルに励めば励むほど私たち区民の負担は増大していくのです


ペットボトルと資源ゴミのリサイクルはその収集から再製品化まで全て区と(財)日本容器包装リサイクル協会に委託された民間業者によって行われています。リサイクルにはお金がかかるから・・・で終わらせず、区はこのコストの妥当性をしっかりチェックし、過度な負担が区民にかからないようにしていくべきだと思います。容器包装リサイクル法では、各自治体が分別、収集、選別、保管まですべて行わなければならないと定められているのですが、そもそも生産者であるペットボトルメーカーや販売業者さんにはこの経費を負担する義務は全くないのでしょうか?皆さんはどう思われますか??

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