決して小さくない猫問題

「区議会議員って例えばどんな問題に取り組んでいるんですか??」
「そうですね、色々ありますが、最近だと野良猫の問題とか。。。」
「ええっ、猫ですかあ(そんなことやってんの)??」
(実際、何度かあった会話です)
でも、タイトルの通り、野良猫(地域ねこ)問題は決して小さな問題ではないのです。
 特に今、地域で問題になっているのが、飼い主のいない猫に対する餌やり問題。餌をやる住民と、猫が嫌い、あるいは野良猫(飼い猫も混じっているのでややこしい)の鳴き声や糞尿で迷惑を受けている住民同士が対立し、住環境の悪化とともに双方からの行政への苦情も絶えません。
 これを受けて、中野区では近隣に迷惑をかけたり周辺環境を悪化させるような、飼い主のいない猫への餌やりを禁止する条例を制定しようとしましたが、動物愛護団体や猫と人間との共生を推進する団体などから反対や疑問の声が上がり、膠着状態が続いています。
 ちなみに東京都荒川区では昨年末、飼い主のいない動物に餌をやって周辺に迷惑をかける行為を、罰則付きで禁止した「荒川区良好な環境を確保する条例」案が議会で可決、制定されましたが、未だ施行されていない状態です。
 さて以前から、お隣の新宿区が住民やNPO団体と力を合わせ、この問題に精力的に取り組んでいると聞いていたのですが、昨日、ようやくその新宿区主宰のセミナーに参加することができました。
016.JPG このほかに男性も結構参加されていました。

 セミナーでは、野良猫問題に地域ぐるみで取り組んでいらっしゃる新宿区の3つの町会の代表者の方が、日頃の活動や成果、問題点などを発表された後、新宿区の保健所の職員の方や獣医さん、猫問題に取り組むNPOの代表者の方などが加わった、パネルディスカッションが行われました。
 野良猫問題を解決するためには、まずは不妊去勢手術をすることで、飼い主のいない猫を減らしていくことが大切です。(もちろん猫を捨てることは言語道断!犯罪になります)先の3つの団体の中には、手術のための寄付金も順調に集まり、現時点で野良猫がゼロになったところもあるそうです。
印象に残ったのは、
「動物愛護管理法(通称:動物愛護法)は猫を守る法律ではなく、人間の権利を守るためのものである、だから猫を嫌いな人の権利も守られなければならないし、一方で野良猫に餌をやりたいという人の権利も尊重されなければならない。」
「猫に餌をやる人を罰する法律がないので、本来条例で餌やりをする人を罰する条例はつくれない」
 というNPO団体の会長さんのお言葉でしょうか。後者の方は、今後変わる可能性がありますが(法律になくても各自治体が独自で条例を制定できる方向で進んでいる)前者に関しては目からウロコでした!
 いずれにせよ、飼い主のいない猫への餌やり禁止を条例に盛り込むのは、慎重に議論した方がよさそうです。(条例に基づいて餌やりを禁止しても、その人が裁判に持ち込めば自治体側が敗訴する可能性が濃厚だそう)
 餌を一切やらないで自然淘汰させろ、という意見もありますが、そうすると、おなかをすかせた猫がゴミをあさったり、家に入り込んで金魚を襲ったり(実際にあるそうです)するなど、別の問題を引き起こす、というお話も聞いたことがあります。
 ただし、餌やりの後、やりっぱなしで後片付けをしない方がいるのも事実です。そうすると、不妊去勢手術が済んでいる猫に対しても何に対しても、とにかく餌をやること自体がけしからん!となってしまいがちです。やはりまずは不妊去勢手術を徹底し、その活動をしっかり住民に周知することが先決なのではないでしょうか。そのためにはやはり行政と町会、そしてボランティア団体が情報交換し、手術費用の面も含め、協力し合って問題解決にあたらなくてはならないですね。
おまけ 動物愛護管理法より
<終生飼養> 
飼い主はねこを家族同様の愛情をもって人生の伴侶とし一生涯飼い続けること。
<適正飼養>
飼い主はねこの本能や習性生理・生態を理解し、感染症の知識を持って適正に飼養すること。
<繁殖制限>
飼い主はねこが生まれても適正に終生飼養することのできないとき、不妊去勢手術をすること。
<譲り渡し>
ペットは単なる愛玩動物ではありません。飼い主は「やむを得ずねこを譲り渡すより他に方法の見つからないとき」に「適正に終生飼養できる新しい飼い主」を探します。
<遺棄・衰弱虐待・殺傷>
ねこを捨てること、餌や水を与えず弱らせる虐待のほか、傷付け殺すことは懲役刑もある大きな犯罪です