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保育園の新しいカタチ

NPO法人フローレンスさんが今年4月からスタートさせた
おうち保育園
を視察してまいりました。
014.JPG 場所は江東区東雲のURの集合住宅の一室

昨今特に話題になっている保育園の待機児童問題。中野区でもかなり深刻です。特に一番需要があるのが産休明けの1歳児だそうです。
日本には認可、認証保育所の他に、自治体から委託料をもらった「保育ママ」さんが自宅で子ども(0~2歳児)を預かってくれる制度がありますが、同居するご家族の負担が大きいことや全然休めないこと等がネックになり、なかなか保育ママさんも増えないのが現状。
低年齢児には広い園庭や立派な施設より保育者との密なコミュニケーションが重要、ということでおうち保育園は集合住宅の一室を間借りして1歳~2歳児をお預かりしています。これだと自宅を利用する保育ママさんほどではありませんが、初期コストや運営コストも各段に抑えられ、今回の初期コストも部屋のカーテンと床にしいたコルクボード、写真のベビーガード(柵)くらいのものだったそうです。
NPO法人の保育スタッフ(正社員)がここに出勤するかたちとなりますが、この日、こちらにいらっしゃったスタッフさんたちは皆、元保育士さんや元幼稚園の先生でした。保育ママ制度に準じて、一人の保育スタッフがみる子どもの数は3人まで。お話を聞いた園長先生は最初は保育ママ制度に関心をもったものの、家でひとりで子どもを預かることに不安を覚えてこちらに応募されたそうです。少人数制ゆえ、母親のように子どもに接することができるのが嬉しい、とおっしゃっていました。(大規模園だと、なかなかこうはいかないようです)
自治体対個人の保育ママの契約ではなく、自治体対会社の契約だと、保育スタッフがどうしてもお休みしなければならなくなった時もすぐに代替のスタッフを用意できる、というメリットもあるようです。
今回の開園にあたっては、URと江東区が全面的に協力し、江東区は認証保育園に通う場合と同額の補助金をおうち保育園に子どもを通わせる保護者にも支給しているそうです。
集合住宅の一室を利用するため、開園の際には近隣住民の全面的合意が必要というハードルはありますが、空き室の有効利用としてもよいのではないでしょうか。
認可保育所の新規開設には2年ほどかかるそうですし、かなりの経費も必要となります。「保育の質」を担保することは当然のこととして、現在のように「社会福祉法人」が既得権益をほぼ独占している状況を改め、もう少し色々な事業者が新規参入しやすくして、保護者のニーズに迅速かつ機動的に対応していくことが求められているのではないでしょうか。利用者の選択肢を増やしていくことが重要だと考えます。

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