不安を解消しなければ

区内のお年寄りとお話していると、
「今はいいけれど将来(動けなくなったとき、独りになったとき)が不安」
というお声を本当によく聞きます。
「費用が安い老人ホームにはなかなか入れないようだし、動けなくなったら誰が面倒みてくれるのか」
お子さんがいてもその気持ちはあまり変わらないようです。
常日頃からものすごく質素な倹約生活を送り、金銭的に余裕がないように周りに思われていたお年寄りが、亡くなったときに何千万円もの貯金があることが判明したなどの話を聞くと、多くの方が抱えるこの「将来への不安」を解消しない限り、経済も社会の空気もよくならないのだろう、と強く感じます。このような状況でいくら現金をばらまいても消費には回らない、イコール景気もよくならないのでは。
もちろん「将来への不安」を感じているのはお年寄りだけではありません。
国民全体が漠然と抱えているこの将来不安を解消することこそ、政治が真っ先にやるべきことだと思いますが、それにはこれまでにない大きな社会保障制度改革や規制緩和が必要となります。基本的に今の制度は一昔前の日本の状況、つまり右肩上がりの経済成長が続き人口も増え続ける、税収も増え続ける、という前提のもとでつくられたものですが、今や社会状況は大きく変わり、その前提は完全に過去のものになりつつあります。政治家でなくても誰がどうみても今の制度内容のままでは、この先もたない、とわかるのに政権が代わっても政府は相変わらず問題を放置先送りしたまま。
これではいつまでたっても皆の根本的不安は解消されません。政府は景気対策よりも何よりも本来はまずこちらの問題に手をつけるべきだと思います。残された時間はあまりありません。