結局誰も責任を取らない

12月議会(第四回定例会)の一般質問を終えました。
質問内容は、先日の記事でも少し触れました区の住民情報系システム(中央電算システム)のオープン化に伴う障害発生についてと、区の未収金対策について。
オープン化とは簡単に言うとホストコンピュータからサーバー上にシステムを移行することです。といってもわかりづらいと思いますが、これまでだとシステム運用のためにホスト機器からプリンタなどの周辺機器、それに付随するソフトウェアに至るまで、全て同じ企業からレンタルせざるを得ずそれに付随する業務も一社独占状態で高止まりしがちだった運用経費年間5億円(賃借料だけで約4億円)を削減できるというメリットがあり、財政難の中野区がそれを行うのはある意味当然のことと言えます。
しかし、この中野区の中央電算システム自体が、区の職員によって何度も修正が加えられた複雑な「手作り」システムということ、こういった特殊なシステムをそのままオープン化するという作業自体、中野区が初めてだったということもあり、もっと慎重に今回のプロジェクトを進めるべきでした。
今回の作業が困難を極めたことは、本来ならシステムの納期が1月だったものが、品質不十分(はっきり言って使い物にならない状態だったようです)7月にのび、それでも駄目で結局9月に稼働が大幅延期されたことに見て取れます。受託業者が採用した別会社の基盤ソフトフェアがお粗末なものだった、というのが大きな原因ですが、区も受託業者丸投げではなく自分たちでその会社の信用性や製品品質を確認するべきではなかったのでしょうか。結局、稼働日初日から2か月近くも断続的に少なくとも10回全端末がストップし、来庁者や電話をかけてきた方々に多大なる迷惑をかけ、現場職員もその対応や後処理に追われて多くの超過勤務も発生する事態となり新聞沙汰にまでなってしまいました。
ちなみに区は3500万円を払ってコンサルティング会社に今回のプロジェクト内容の調査提案業務と、進行管理、品質管理、リスク管理に関する支援と助言業務を委託していました。区は私の質問にこの会社には責任はないと断言しましたが本当にそうなのでしょうか。
本来、今年の1月システム稼働予定でホストコンピュータ及び周辺機器のレンタル契約も3月末まででした。それが品質不十分ということで2度による稼働延期の結果、9月末までレンタルせざるを得なくなりました。またこの延期のせいで本来なら今年4月から利用開始できるはずった税務課の新システムも11月末まで利用できませんでした。システムが最初の契約通り納品され、稼働していれば払う必要がなかった4月~9月までのホストレンタル費用のうち、区が受託企業に請求したのは2カ月分だけです。(ちなみにレンタル費用は一カ月2300万くらいかかっているそうです)税務課の新システムの4~11月分のレンタル費用も受託企業に請求すべきだと思いますが、それもしていません。この事故によって生じた区の職員の超過勤務手当、窓口でお渡しできなかった証明書の郵送代など諸々の損害額をきちんと見える化し、金額に換算して受託企業に請求すべきだと質問いたしましたが、「今後、他の損害が判明した場合は早急にその額を確定し、契約に基づいて請求していく」となんとも呑気な答えが返ってきました。これが民間企業同士のトラブルであれば、損害を被った会社は相手方の責任を徹底的に追及し、損失を埋めようとするのではないでしょうか。(こういうところで自治体は「人のお金だと思って」やっているなあと強く感じます。)
しかも区は今回の受託企業に今後のシステムの運用管理業務を引き続き委託しています(ここに委託せざるを得なかったという言い方が正しいかもしれません)
コンサル会社に責任はないと言いながら、自らの管理責任も認めず、危機管理意識が甘かったのではないという質問には「不測の事態だった」「想定外だった」という答弁。結局誰も責任をとりません。
オープン化後、反応速度が遅くなって業務処理効率も落ちているという現状に加え、これからの様々な国の制度改革(後期高齢者医療制度の大幅改正など)に伴う改修やソフトのバージョンアップにも耐えられるのか不安に思って質問いたしましたが、区は大丈夫と断言いたしました。結局もう後戻りもできず当面はそれを信じるしかありませんが、現場の声を聞きましてもこの独自の「中央電算システム」からの脱却を早めに検討した方がよいように思います。