自治体が抱える高齢化社会への課題

先日、JR中野駅南口にある「堀江高齢者福祉センター」を視察してきました。(雨天にも関わらず朝からお年寄りがたくさんいらしていました。)
応対して下さった指定管理者(区の職員に代わり施設の運営を行う団体のこと)の方々も皆さんとても感じよく、限られた資源の中で来館者に喜んでいただこうと色々努力なさっているのがよくわかりました。
ここを含めて中野区内には「高齢者福祉センター」が4か所ありますが、現在の維持管理費をまかなっていくのは今後困難として、区は完全民営化を計画しています。(ちなみに中野区の4か所というのは他区に比べて多い方なのだそうです。)
区内にはこの「高齢者福祉センター」の他に「高齢者会館」というのが15か所あります。どちらも集会室等をつかってイベントやサークル活動が行われているほか、利用者がお茶やお昼をいただきながらくつろがれたりしています。
(高齢者福祉センターと高齢者会館との違いですが、前者が保健師さんや入浴施設の設置が義務づけられている他は大きな違いはないようです。)
福祉センター内の入浴施設は人気があり、堀江では利用は一人20分以内と制限されています。ただ昔と違い、お風呂がないから、という理由で訪れる方は皆無で、高齢でお風呂掃除がしんどい、無料だから、の理由がほとんどのようです。
高齢化社会の課題、というと年金や医療の問題がよく議論されますが、中野区のような基礎的自治体では、財政状況が益々厳しくなる中で、これまでたくさんつくった高齢者向け施設の維持をどのようにしていくかが大きな課題です。
年金暮らしの高齢者から高額の施設利用料を徴収することは難しく、数を集約しようとすると距離が遠くて通えない、というご不満も出てきます。(ただ実際は地元の人間関係の問題で自宅近くではなく、バス等を利用して自宅から離れた施設を利用なさっている高齢者も結構いらっしゃるそうです。)
また、高齢者施設といってもその存在を知らない、デイケア(介護)施設だと思っている、グループやサークルに入るのは嫌だ、等の理由でこれらの施設を全く利用したことがない方々も多数おり、リピーターか全く使わないか、にくっきり分かれてしまっていることも事実です。堀江センターでは、それまでやったことがなかったような単発のイベント等を行い周知することで、新規利用者を引き寄せる努力をなさっていますが、民営化となれば高齢者のみ対象として運営費をまかない、更に利益を出していくのは本当に大変だと思います。
ただ最近は高齢者の意識も以前とは変わり、若者と変わらない価値観や感覚を持っている方も少なくありません。また高齢者だからと言って必ずもお金に余裕がなく、身体が不自由という方々ばかりでもありません。「高齢者はこう」という自治体のこれまでの発想をそろそろ転換するのと合わせ、高齢者施設も高齢者限定にこだわらずに広く門戸を広げ、色んな世代が集えるようにして、それこそ区が推進しようとしている「支え合い」精神を世代間交流を通じて養っていってはいかがでしょうか。

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