私物化される中野区政

先月25日に定例会が終了し、26年度の区の予算案をはじめ様々な重要議題が区議会で承認されました。
NHKや各紙で報道されましたのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、自治体の憲法、基本原則と言われている「中野区自治基本条例」の改正案が区長から提案され、議会が賛成多数で可決・成立させたこともその一つです。
具体的には第7条の「区長の役割」の第2項「活力ある区政運営を実現するため、区長の職にある者は、連続して3期(各任期における在任期間が4年に満たない場合もこれを1期とする)を超えて在任しないよう努めるものとする。」第3項「前項の規定は、立候補の自由を妨げるものと解釈してはならない」の部分が削除されることになりました
第3項により、区長の任期は3期までとする、というルールはあくまで努力規定であり、これを破ったからと言って条例違反に問われるわけではありません。
しかしこの自治基本条例を制定した際、議会の反対もある中でこの区長の多選自粛規定を条例に盛り込むことを強く主張したのは、ほかでもない、今回、その部分を削除しようと言い出した田中区長自身でした。
実は田中区長は今定例会の冒頭の所信表明で、今年6月の区長選挙への立候補を表明しました。今回出馬、当選すれば4期目ということになり、自治基本条例の多選自粛規定との整合性が取れなくなります。最初は努力規定だからということで強行突破しようとなさったようですが、議会から反発を受けると定例会の途中で突然その部分を削除するという条例改正案を提案されました。
結果、25日の最終日に自民党公明党、無所属議員1名(みんなの党の2名は退席)の賛成多数で条例改正案は可決・成立しました。(いながきは反対しました)
そもそも田中区長は最初の選挙の際に「2期8年」で引退するという公約を掲げて当選し、在任中に上記の多選自粛規定を盛り込んだ自治基本条例を制定しました。しかし突然その公約を反故にし、条例の中で3期目までは大丈夫とあるから、という論理で3期目の選挙に出馬、当選されました。そして今回の条例改正です。
残念ながらここまでの経緯を見る限り、初当選時の2期8年までという公約も、3期までという多選自粛規定を盛り込んだ条例制定もその改正も区や区民の為ではなく区長自身の選挙の為だったとしか思えません。
もう一つの問題は、今年のなかの区報(3月5日号)のトップに掲載された施政方針の概要と称する区長の所信表明演説です。そこにはこれまでのご自分の実績と6月の選挙に向けての出馬表明、その理由等も合わせて掲載されていました。
しかし税金を使って制作、全戸配布される区報でこのような内容を掲載するということは区報の政治利用、私物化以外の何物でもないのではないでしょうか。あくまで施政方針の「概要」ですのでその部分は削除することはいくらでも可能でした。庁内でもこれについては議論があったようですが最終的にはトップである中野区長が決断し掲載が決まったことは明らかです。
政治家の公約にも色々ありますが、自分の進退、自分が選挙に出るか出ないかは、時代や周りの環境に左右されることなく100%自分の意志だけで実行することができるある意味非常に守り易い約束だと言えます。これを2度も破るということは有権者の政治(家)不信を益々大きくさせることにも繋がりかねず、このような区長の政治姿勢は非常に問題であると考えています。