区民不在の家庭ごみ有料化計画には反対します。

区内の一般家庭が出すごみは、粗大ごみ以外は現在無料です。しかし中野区は23区で唯一、これを有料化しようと計画しており、今年の6月に制度の具体的内容を盛り込んだ計画素案を提出しようとしています。課題が大きいと他区が有料化を見送っている中、中野区だけがなぜこれを実施しようとしているのでしょうか。

区の説明によると「新しい中野をつくる10か年計画」で掲げた平成31年度までに平成16年度比でごみ量を半減する(ここでいうごみというのは、燃やすごみ、陶器・ガラス・金属ごみ、粗大ごみ)という目標の達成が今のままでは困難なので、有料化して更にごみの減量とリサイクルを進めたい、とのことですが、そもそもこのような区の目標をご存じの区民の方は一体どれほどいるのでしょうか。

中野区の一人あたりのごみ量は平成11年以降、右肩下がりで減り続けています。有料化後のごみ減量効果はどれくらいかといいますと、手数料がいくらかにもよりますが、有料化前と比べ概ね10と言われています。昨年家庭ごみの有料化を開始した千葉県千葉市が発表した数字によりますとごみの減量効果は1年間で目標の10%には届かず約6%だったということでした。この千葉市の数字も有料化直後のもので、有料化したほとんどの自治体で、しばらくたつとリバウンド現象が起きて有料化前の水準に段々戻っていってしまうことも確認されています。

家庭ごみ有料化によって不法投棄(不適切排出)ごみが増え、街の美観が損なわれることも心配です。その問題を解決するため、有料化導入の際には本来なら戸別収集を徹底することが基本となりますが、これだけ住宅戸数や狭い道が多い中野区での完全戸別収集は莫大な税金と時間がかかることになり実現は困難です。現在、苦情が絶えない問題のある集積場は区内に200か所あり、区は監視カメラを設置して対応しようとしていますが、それも6台しかなく全く足りない状況です。また人員を増やして指導を強化しているとのことですが、残念ながらいまだ大きな成果が出ているとは言えません。

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収集日が守られず、毎日のように分別もしていないゴミであふれた集積所

区民の方々のごみ減量や環境保護への意識は以前に比べ確実に高まってきています。

今後消費税が上がり、各社会保険料の値上げも続くことが確実な中、「税金の二重取り」とも言われる家庭ごみの有料化を安易に実施して区民の経済的負担を増やすべきではないですし、10%の減量なら有料化以外の方法で住民の協力を得て実現することは可能なのではないでしょうか。千葉市の場合は市内3か所にあるごみ焼却場のうち老朽化した1か所を建替えせずに廃止し、同じく市内にある埋立地の延命を図るために有料化せざるを得ない状況がありました。23区の場合は各区がお金を出しあい、共同で焼却場を運営しごみを処理しています。

もちろん焼却場がない中野区が率先してゴミを減らす努力をすることは必要ですが、各区の境目が曖昧で入り組んでおり、人の移動も激しい23区で、もしも家庭ごみの有料化を実施するのであれば、全区一斉に始めるべきだと考えます。様々な課題が残ったまま拙速に有料化を実施して多少ごみ量が減ったとしても、それに伴う区民の負担の方が大きくなってしまっては本末転倒です。区民不在の有料化計画を推し進める前に、区は今一度皆様の声を聞き、徹底議論した上で結論を出すべきではないでしょうか。

ちなみに家庭ごみを有料にしなければならないという法律はありませんが、商店・会社等から出る事業系のごみや資源については法律により事業者自らの責任で適正に処理することが義務づけられているため基本的には区が収集せず、各事業者が民間事業者と個別に契約し有料で処理しています。

小規模な事業所については例外的に区が収集していますが、この場合も区の有料ごみ処理券を購入し袋に貼って出さなくてはなりません。しかしこの有料処理券を貼らずに無料の家庭ごみとしてごみを出している事業者が多く、区の推測では全体の3割程度しかお金を払っていないとのことです。

この問題を解決するため、区は各事業者がごみの処理状況を届出る制度の導入を目指していましたが、現在先送りされてしまっています。この制度が実施されれば、事業者間の負担の公平性がはかれますし、手数料を支払うことでごみ量が減るという区の主張に基づけば、残りの7割の事業者が本来払うべき手数料をきちんと支払うようになれば、区内のごみ量は一定量確実に減るはずです家庭ごみの有料化導入の素案をつくる前に、まずは法律で定められた事業系ごみの手数料徴収をきちんと行うことが先決ではないでしょうか。

そして、もしもごみ手数料の負担が大きく、払いたくても払えない事業者が多いということであれば、そちらの手数料体系の方から見直すべきだと考えます。