ごみ事業は完全民間委託すべきではない

先日、清掃事務所(区内のごみの収集作業を行う部署)の現場作業員の方々と懇談する機会がありました。
今、中野区は正規職員(民間でいうところの正社員)である現場作業員の新規採用を取りやめ、最終的に人件費の安い民間企業に家庭ごみの収集作業を完全委託しようとしています。
私はサービスの質が落ちないことを前提に、民間にできることはできるだけ民間にお願いすべきと思っていますが、このごみ事業については完全に民間委託するのは反対です。
確かに区の正規職員の給料は民間に比べ高給ですが、例えば毎日100件~200件もの電話(一番多いのは不法投棄関連)がかかってくるごみ事業で、職員が直に対応するからこそ、迅速にきめ細かく動ける部分は大きいです。また現在行われている、ごみ出しに支障がある高齢者や障害者宅の玄関先まで戸別にごみを収集しに行くサービスの実施や子供たちへの環境教育など、最低限のごみ収集作業以外のことは、ぎりぎりの経費でやっている民間企業にはお願いできなくなる可能性が高いです。
ごみ関係ではありませんが、例えば学校の校務主事(昔でいうところの用務員さん)の仕事も現在は民間から来てやっていただいている状況ですが、やはり直接雇用でないがゆえにこれまでスムーズにお願いできていた様々なことができなくなり、保護者から不満の声が上がっています。
(民間委託になじむのは、例えば区役所の窓口で住民票を発行するような仕事だと思いますが、逆にこういうことが様々な制約の中でなかなかしづらい状況となっています。)
中野区では区長の号令で正規職員の実数を減らし続けていますが、それは安い給料の民間企業の人達に仕事を移管することで見かけ上減っている部分も大きく、減らされた人数の分を残された職員たちだけで全てカバーしているわけではありません。その分野に関する知識や資格、現場経験をもった職員が庁内にいるうちは、委託先の企業が公共サービスを任せるに適切な事業者かどうか、その仕事内容や金額もチェックしやすいと思いますが、もしそのような職員が誰もいなくなったらどうなるのか。民間に委託された事業内容の状況把握やチェックは、区職員が直接行っている事業に比べて我々議会も非常にやりづらいというのが現実です。
現場作業(実務)を民間にお願いしても、区が税金を投入して管轄している事業である以上、最終的な責任は区がもつことになります。しかしなんでも民間へ、という流れの中で責任の所在があいまいになり、委託先任せでその事業を所管する区の担当者(正規職員)の当事者意識や危機管理意識が希薄になりがちの中、各地で人命に関わる大事件も起きたりしています。
民間に任せることで、サービスがよくなった!と区民の皆様から喜ばれることも多いですが、だからといって何でもかんでも民間に任せればバラ色になる、ということでもない、慎重にするところは慎重にすべき、というのが議員の一人として行政を見てきた私の意見です。