先日終了した第四回定例会では、様々なメディアでも話題の「民泊」について質問いたしました。
私たちが旅行やビジネスの際に宿泊するホテルや旅館は「旅館業法」という法律に則って、各自治体の保健所の許可を受けて営業しています。しかし日本を訪れる外国人旅行者が過去最高数を記録する中、オリンピックに向けて宿泊施設の不足が予想されることから、国は「特区」指定された東京都内において、自治体が旅館業法の基準を満たしていない民家等でも宿泊施設として提供できる、と規制を緩和しました。これがいわゆる「民泊」解禁への流れです。
23区では大田区がいち早くこの事業に取り組むとして、議会に関連の条例案を提出し、賛成多数で可決されました。
実はすでに中野区内のマンションの空き室などが、仲介業者のホームページに多数掲載され、民泊は事実上スタートしてしまっている状態です。中野区は今後民泊を進めるという意向をすでに表明しているため、今後この問題にどう向き合っていくのか、基本的な考え方も含めて示すよう求めました。
大田区では建築基準法でホテルや旅館が建設できる地域に限定して民泊を認めるとしていますが、住宅地が中心の中野区で同じように地域を限定すると区全体の2割程度しか民泊可能とならないことになります。
もともと宿泊施設が少なく、現時点で受け入れ人数が400名を切っている中野区にとって、宿泊者数を増やすことは地元の経済にとってはプラスとなるでしょうが、安全安心な住環境を確保するという点では闇雲に増やすことは避けるべきだと思います。
ホームステイの延長で、家主が住んでいるところに旅行者を有償で宿泊させる、という場合にはさほど問題はないでしょうが、オーナーが近くにいないマンションやアパートの空き室に居住者以外の人が出たり入ったり、という場合、住民が不安を感じることもあるでしょうし、何か事件事故が起きた場合はどうするのか、等、まだまだ解決されていない課題が様々あります。
実質的に民泊が区内でスタートしてしまっている状況の中、中野区がそれを推進していくというのであれば、許可地域を明らかにした上で各施設をきちんと把握し、ルールを定め順守してもらうような仕組みづくりを急ぐべきです。