東中野駅と中野駅を結ぶJRの線路沿いの土手には春になると桜と菜の花が咲き乱れ、地元の名物となっています。
JRの敷地内にあるこれらの桜は昭和29年に地元の方々によって植えられたもので、その後中野区とJRが共同で維持管理してきました。(費用負担は中野区、実務はJRの担当)
しかし植樹からかなり時間が経ったことから線路に倒木したり枝の落下があったりしては危険ということで、中野区が平成21年に樹木診断を行い、その結果、不健全もしくは不健全に近いと判定された16本を伐採することとなりました。それから暫く時間がたったところで急にJRが伐採作業を始めたため、何も知らなかった地域住民は驚き、現在、桜を守るための署名活動と伐採への反対運動が行われています。
区はJRも鉄道運行の安全性確保を理由に不健全な桜は伐採し、その後植樹はしない、と主張していましたが、とにかく樹木診断をもう一度行い、それから今後のことを改めて検討してほしい、という住民要望を受けて樹木診断が再度行われることになりました。
今月、本格的な診断の前に皆で診断士さんのお話を聞きながら現地で木の状態を確認しました。
ちょっと見えづらいですが、根元にキノコが生えています。
樹木の内部を腐らせるのは菌(キノコ)だそうですが、今回チェックした桜の木には結構キノコが生えていました。
もし不健全な木を放置した結果、電車の運行中に木が倒れたり枝が落ちたりして人身事故でも起きたら大変なことですし、そうなった場合、木の所有者である中野区(中野区民)にも大きな責任が問われることは必至です。
地元の方々に愛されてきた桜を切らざるを得ないというのは大変残念なことではありますが、現時点ではこの場所での桜の植え替えは物理的、資金的に非常に困難であり、一度ダメになった木の寿命を延ばしたり保護したりするというのも難しいということで、不健全と判断された木はできるだけ早期に伐採して危険を排除した上で、ではこの後どうするか、ということを考えることがやはり現実的なのではないかと思いました。