公共事業の発注(入札)制度は区民ファーストか

もしも区民の皆様が中野区内で自宅を新築、もしくは改築することになったとして、さてどこの会社にお願いしようかと考えたときに、会社の所在地が区内にあるかそうでないか、ということを最優先ポイントとして選ぶ方はほとんどいないのではないでしょうか。

金額とか品質の面で、区内の業者さんにお願いすることによって何か大きなメリットが得られる、と明らかに分かれば違うのかもしれませんが。。。

これは中野区だけの話ではないのですが、国土交通省からのお達しがあることもあり、公共工事はできるだけ地元の業者さんを使って、というのが暗黙のルールとなっています。ですので中野区の公共工事もできるだけ区内の業者さんに発注することを基本として入札が制度設計されています。物品購入もそうです。

私もそのこと自体は悪いことではないという立場ですが、区が発注する公共工事や物品購入は当然のことながら区民の皆様の税金を投入して行われていることを忘れてはならないと考えています。大きな公共事業ですと何十億もの事業となります。都内には無数の事業者がある中で、あえて区内の事業者だからという理由で工事を発注するのであれば、そのことによる区民全体へのメリットを区は明らかにすべきだと思います。

区の説明によるとその理由は「区内事業者育成の観点から」でした。中野区内には大手のゼネコンがありませんので、大きな公共事業になるとジョイントベンチャーという名目で何社かが集まって工事を行います。1社が行うよりもその規模の工事ができない数社が集まったジョイントベンチャーの方がより質の良い工事をより低価格でできるのか。私は専門家ではないのでその辺のところは分かりませんが、そのあたりの説明はありませんでした。また区内事業者に公共事業を発注することによる区内への経済効果はいかほどのものなのか、その辺の説明もありませんでした。

税金を使って区内の事業者を育成することが区や区民にとってプラスになる、ということであれば、他業種の事業者、あるいは特別区民税の80%以上を納めているサラリーマンも税金で「育成」してキャリアアップしてもらわなくてよいのか、と少々疑問に感じます。

特定の区内事業者だけではなく創業セミナーや産業融資を行うことで全体の育成も行っている、と反論されましたが、セミナー開催や融資などの事業と「育成」の為に税金で仕事を発注することとは少し異なると思うのですが。

中野区内の公共事業は90%以上の高い落札率のものが非常に多く、95%以上の案件も少なくありません。改めて公共事業において地元企業を優先すること、育成することが区民の利益にどのように繋がるのかについて、区には分かりやすく説明してもらいたいものです。

 

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