中野サンプラザが死んだ日

昨年9月、酒井区長が中野サンプラザを再整備(解体、建て替え)すると記者会見で発表してから半年、結局、その跡地に何ができるのか、3月中に方針を出すといった約束は今月行われる区議選後の6月以降に先送りされ、区長選の大きな争点となった1万人アリーナ見直しについても結論が先延ばしされてしまいました。

またサンプラザも再整備する方針とはなったものの、その解体時期や費用についてはまだ何も決まっておらず、宙ぶらりんの状況が続いていました。

しかしついに先月25日、区長から諮問された都市計画審議会で、サンプラザを解体しその敷地内に道路を横断させるという都市計画変更案が全会一致で了承され、同28日にその答申を受けて区が計画決定しました。(図参照)これで事実上サンプラザ解体も決定したことになります。この都市計画決定というのは非常に重い決定でよほどのことがないと覆せない計画です。2019年3月28日は事実上「中野サンプラザが死んだ日」といってもよいのかもしれません。

この都市計画決定を受けて現在の区役所とサンプラザは解体され、その間の南北道路をなくして一体的な区画とし、駅前に中野通りと繋がる大きな交通広場が整備されます。また交通広場の上空には駅舎と新庁舎を建設予定の四季の都市エリアを結ぶ歩行者デッキができる予定です。

都市計画審議会では中野駅北口地区の区画の変更や道路の新設について審議されたわけですが、この時点でこの新しい街区にどのような建物ができるのか、どのように再開発されるのか全く不明なままで議論しなければならないことに、委員から疑問と不安の声が上がっていました。本来はこの審議会の前に当初の予定通り、サンプラザ区役所跡地の再整備の方針を示すべきでした。

もともとこの都市計画変更案(図右)は前区長が一万人アリーナを建設する前提で考えたものとほぼ同じです。この計画をもとに区画整理して現区長がアリーナ計画を見直したところで、土地が本当に有効活用できるのか、甚だ疑問が残ります。

更にいまだ中野サンプラザの解体が決定したことを知らない区民の方も多く、なぜ区はこのような都市計画案を出し、サンプラザを解体して新しい建物をつくることにしたのか、中野駅の新しい駅舎建設や区役所の移転建て替えとこの区役所サンプラザ地区の再開発が複雑に絡み合っていることも含め、今後、区民に対してより一層丁寧な説明が求められます。

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