2015年4月に無所属で3期目の当選をさせていただいてから早4年。
14日から区議選が始まりますが、ひとまず今月30日で任期が満了になるということで、この4年間をふりかえってみました。
(具体的にこの4年間、どのような議会活動をしてきたかについては、ホームページの「議会活動」をご覧下さい→ https://inagaki-junko.jp/parliament/ )
一貫して心がけてきたことは、「役所や政治家にとって都合のよい政治ではなく、区民が望む政治、区民が望む税金の使い方やまちづくりとは何か、いち住民の立場から徹底的に考え、実行する」です。この想いは12年前に初当選させていただいた時から変わっていません。
例えば今中野区は、現中野体育館を沼袋の平和の森公園内に移転させ、その跡地に区役所新庁舎を建設しようとしていますが、体育館の解体費を含む整備費用約280億円について、現庁舎とサンプラザを解体しその跡地を活用して生み出されたお金を充てる、という漠然とした方針を出しただけで、いついくらそのお金が入ってくるのか、今後の具体的な資金計画や区民への十分な説明もないまま、とりあえず自治体の信用力で限度額一杯の借金をしてそこから支払いをすることを決め、設計と施工をまとめて行う形式で急ぎ契約を結び、事業を進めようとしています。
私たちが家を建て替えようとする時、あるいは新しく建てようとする時には、借金をするにしても基本的にはできるだけ多くの頭金を用意し、足りない分をローンを組んで返していく、ローンを組むにしてもできるだけ支払い利子が少なく無理のない返済計画をきちんと立ててから契約を結び、設計や工事に着手するのではないでしょうか。
それが税金を使って建物を建てようとすると途端に、後先のことはほとんど考えず、とりあえず借りられるお金は借りられるだけ借りて後からなんとかしよう、という民間ではありえない発想になってしまうのは理解できません。借金をするのは役所でもそれを返していくのは区民です。
税金を一円も使わずに新庁舎を建てたと話題になった豊島区は、中野区の方針と同じように再開発事業に絡めた土地の活用でお金を生み出し、それを新庁舎の建設費に充てましたが、中野と大きく違うのは綿密な資金計画をつくって新庁舎の整備計画の中に盛り込み、新庁舎はマンション一体型にして旧庁舎の跡地に約76年間の定期着地権を設定し、その賃料を一括で受け取るという手法についても100回以上住民説明会を開き丁寧に説明してきました。それから庁舎を移転させる条例案を区議会に提案し、可決されてから解体・本体工事に着工しています。
中野区の新庁舎整備計画の中には、そのようなお金に関する記載はほとんどなく、具体的な再開発の手法やそれによって得られる資金の目処もたたないまま、さらに区役所が移転予定の現中野体育館が未だ「第一種中高層住居専用地域」であり、11階建の区役所新庁舎が建てられない状態であるのにもかかわらず、区役所の移転条例を成立させ(私は反対しましたが、区議会で賛成多数で可決されました)必要な都市計画変更を後回しにして強引に工事の発注をしようとしています。
私は区役所サンプラザ地区の再開発事業によって建設資金を生み出すというなら、せめてその再開発事業の中身(区役所サンプラザ地区の土地を売却するのかしないのか、どのような建物や空間を整備するのか)と区が得られる金額、その時期などを明らかにし、議会と区民の合意を得てからこの280億円もの整備工事の契約を結ぶべきではないかと言い続けていますが、果たしてどうなることか。
この区役所サンプラザ地区の再開発事業についても、今の流れでは事業者選定において豊島区のように競争原理が働かず、事業協力者という名の民間事業者がそのまま請け負うことになり区民の財産である中野駅前の超一等地が最有効活用されない可能性があります。この事業協力者の選定過程が非常に不透明(審査員も点数もプレゼン資料も非公表、区が議会答弁した選定理由にも全く具体性なし)であったため、この点についても前田中区長の時代から議会で疑問を呈してまいりました。
これからも引き続きこの大切な区民の財産を守り、区民のために最大限活用されるよう、最後まで尽力したいと考えています。